2026/10/19

会社を設立するときに知っておきたいこと①

今日は、会社を設立するときに知っておくと得をする制度の話を書きます。ただ、先に正直に言っておくと、私自身はこの制度を使えませんでした。その経験も含めてお話しします。

設立でいちばん大きな出費は「登録免許税」

株式会社を設立するときに、まず必要になるのが登録免許税です。法務局で登記をするときに納める国税で、株式会社は最低15万円、合同会社は最低6万円かかります。資本金の0.7%が最低額を上回る場合は、その金額を納めます。

設立費用の中で、いちばん大きな負担がこれです。

札幌市で設立すれば、半額になる制度がある

札幌市内で会社を設立する場合、札幌市が発行する「特定創業支援等事業を受けたことの証明書」を登記申請のときに法務局へ提出すると、登録免許税が軽減されます。

  • 資本金の0.7%が0.35%になる

  • 最低税額の場合は、株式会社が15万円から7.5万円、合同会社が6万円から3万円になる

さらに、「さっぽろ新規創業促進補助金」を使うと、軽減後の残りの登録免許税(株式会社7.5万円、合同会社3万円)も補助されます。両方使えれば、登録免許税の負担は実質的にほぼなくなります。

私は、使えませんでした

私は、個人で税理士業を続けながら、生命保険代理店を営むための法人を立ち上げました。このケースでは、この軽減制度を使えませんでした。

制度には、細かい要件があります。たとえば補助金では、次のような要件があります。

  • 事業を営んでいない個人、または開業届の提出から5年を経過していない個人事業主が、新たに会社を設立したこと

  • 新しく設立した会社以外に、代表権を持つ会社がないこと、または他の事業を営んでいないこと(個人事業の場合は、廃業届を提出済みであること)

  • 札幌市内に、登記上の本店があること

  • 会社の成立日から90日以内に、申請書類が札幌市に届いていること(予算に限りがあり、先着順です)

そもそも軽減を受けるには、登記の前に証明書を取る必要があり、登記を終えたあとでは、補助金も含めて対象外になります。「あとから知って、申請しておけばよかった」では間に合わない制度です。

要件に当てはまるかどうかは、事業の形や、すでに事業をしているかどうかで変わります。私のようなケースが必ず対象外というわけではなく、個別の事情によって判断が分かれます。ですから、ご自身が対象になるかどうかを、設立の前に確認することが大切です。

制度は「知っているか、知らないか」で損得が出る

この制度に限らず、創業の支援制度は、知っているか知らないかで、損得が分かれることがあります。

そして、時間にも注意が必要です。窓口相談で支援を受ける場合は、1か月以上にわたって、継続的に4回以上の相談が必要です。証明書の発行にも、申請から1〜2週間ほどかかります。「設立の日取りが決まってから動く」のでは、間に合いません。法人を立ち上げようかなと思った時点で、相談を始めるのがお勧めです。

また、この証明書は、登録免許税の軽減だけでなく、次の制度の利用にもつながります。

  • 信用保証協会の創業関連保証が、事業開始の6か月前から利用できる(別途審査があります)

  • 日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金で、貸付利率の引き下げが受けられる(別途審査があります)

  • 小規模事業者持続化補助金の「創業型」の申請対象要件になる

融資を考えている方は、あわせて確認しておくと得をします。

相談の窓口は、いくつもある

法人を立ち上げようと思ったら、まず誰かに相談してみてください。窓口は、いくつもあります。

  • 税理士:一番相談しやすい窓口だと思います。設立の形(株式会社か合同会社か)や、資本金、決算期、制度の対象になるかどうかまで、まとめて相談できます

  • さっぽろ創業支援プラザ(さっぽろ産業振興財団・札幌商工会議所):創業アドバイザーによる無料相談があります。特定創業支援等事業の窓口でもあります

  • 商工会・商工会議所の創業窓口:地域の創業支援に詳しい窓口です

登録免許税以外にかかる費用

定款認証手数料:株式会社は、定款を公証役場で認証してもらう必要があります。手数料は、資本金の額などによって変わり、おおむね1.5万円から5万円の範囲です。合同会社は認証が不要です。

収入印紙代:紙の定款には4万円の収入印紙が必要ですが、電子定款にすれば不要になります。

私は電子定款を利用しました。マイナンバーカードを使って、公証役場の方とウェブで面談し、確か5分ほどで終わったと記憶しています。思っていたよりずっと簡単でした。

手続きの流れ(ざっくり)

  1. 会社の基本事項(商号、事業目的、本店所在地、資本金、役員など)を決める

  2. 制度を使う場合は、証明書を取る(登記の前)

  3. 定款を作成し、公証役場で認証を受ける(株式会社の場合)

  4. 資本金を払い込む

  5. 法務局に設立登記を申請する(登録免許税を納める)

  6. 登記が完了すると、法人格が成立する

  7. 税務署などへ、各種届出をする

私は「freee会社設立」というサービスを使いました。登記が完了するところまでなら、自分でやっても、意外と費用はかかりません。

まとめ

札幌市には、登録免許税を軽減する制度や、補助金があります。私は使えませんでしたが、使える方にとっては、大きな差になります。そして、制度は、知っているか知らないかで、損得が分かれます。

法人を立ち上げようかなと思ったら、まず、税理士や、さっぽろ創業支援プラザなどの窓口に相談してください。設立の日を決める前に、一度相談しておくだけで、後悔を減らせるはずです。

さっぽろマーチ会計

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